【場所・種類別】カビ除去方法をカビ取り職人が徹底解説

【場所・種類別】カビ除去方法をカビ取り職人が徹底解説

カビは放っておくと健康被害や建物の劣化を引き起こす、見えないリスクの代表格です。しかも、場所や原因によって効果的なカビ取り方法は異なります。

本記事では、カビ取り職人の視点から、発生場所・原因ごとの最適な除去方法を徹底解説。さらに、カビの基本知識から、予防策、業者に依頼する際のポイントまで、実践的かつ網羅的にご紹介します。

カビ取り
牧平 幸
執筆者

カビドクターズ代表

牧平 幸

カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。

代表のカビ取りへの想い

【場所別】カビ取り方法まとめ

早速、発生場所ごとのカビ取り方法について解説いたします。

浴室・脱衣所のカビ取り方法

浴室は高温多湿な環境のため、黒カビが特に発生しやすい場所です。

塩素系のカビ取り剤(例:カビキラー)を使用し、換気をしながら壁面やゴムパッキンにスプレーしてください。10分ほど放置した後、シャワーでしっかり洗い流しましょう。

洗面台・洗濯機周辺

石けんカスや水垢がカビの栄養源になります。まずは中性洗剤で汚れをしっかり落とし、その後アルコールスプレーで仕上げ除菌を行ってください。

キッチン・シンク下

油汚れと湿気が混在しやすく、カビが発生しやすい場所です。中性洗剤で油分を洗い流した後、防カビスプレーを吹きかけて仕上げましょう。シンク下には除湿剤を設置するのがおすすめです。

冷蔵庫のパッキン部分

食べ物のカスや結露が原因でカビが発生することがあります。エタノールを含ませた綿棒でパッキン部分を丁寧に拭き取り、その後乾いた布で乾拭きしてください。

押し入れ・クローゼット

木材や衣類にカビが発生しやすい場所です。アルコール除菌でカビを除去し、除湿剤を設置して湿気を抑えましょう。収納物の詰め込みすぎを避け、定期的に扉を開けて換気を行うことも大切です。

寝室

寝室は就寝中の体温や汗により湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境です。ベッド下やマットレス裏は特に注意が必要です。

カビが見つかった場合は、アルコールを使って拭き取り、しっかり乾燥させましょう。布団やマットレスは定期的に天日干しし、すのこや除湿器を活用すると効果的です。

壁紙・天井のカビ

壁紙や天井にカビが発生した場合は、市販のカビ取り剤を使用しつつ、エタノールを使って表面を丁寧に拭き取ってください。根が深い場合は、クロスの張り替えも検討しましょう。

窓枠・サッシのゴムパッキン

窓周りは結露が多く、ゴムパッキン部分にカビが発生しやすい場所です。塩素系漂白剤を綿棒で塗布し、ラップで覆って30分ほど放置した後、水拭きしてください。作業時は必ずゴム手袋を着用しましょう。

エアコン内部

エアコン内部のカビは市販スプレーでは届きにくく、専門業者による分解洗浄をおすすめします。家庭ではフィルター掃除や、冷房使用後の送風乾燥で予防が可能です。

カーテンや布団

カビが付着したカーテンや布団は、洗濯表示を確認し適切に洗濯してください。色柄物には酸素系漂白剤を使うと安心です。洗濯後はしっかりと乾燥させ、収納時には除湿剤の併用が効果的です。

寝室

寝室は就寝中の汗や体温により湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境です。特にベッド下やマットレスの裏側、壁との接触面などに注意が必要です。

カビを見つけた場合は、アルコールを含ませた布で拭き取り、しっかり乾燥させてください。予防のためには、布団やマットレスを定期的に天日干しし、すのこを活用して通気性を確保すると効果的です。

また、除湿器の設置も有効です。

【種類別】カビ除去方法まとめ

カビにはいくつかの種類があり、それぞれ性質や繁殖環境、適切な除去方法が異なります。見た目や発生場所から種類を見分けることで、より効果的にカビを除去することができます。

黒カビの除去方法(クラドスポリウム属)

黒カビは浴室・ゴムパッキン・窓枠など、湿気の多い場所に多く見られる種類です。根を深く張るため、見た目以上にしつこく再発しやすい特徴があります。塩素系カビ取り剤を使用し、しっかり浸透させてから洗い流すのが効果的です。使用時は必ず換気し、手袋やマスクを着用してください。

赤カビの除去方法(ロドトルラ属)

赤カビは浴室の壁や排水口まわりなどに発生しやすく、見た目はピンク色をしています。黒カビほど根は深くありませんが、繁殖が早いため放置は禁物です。中性洗剤や消毒用エタノールで十分除去可能ですが、こまめな清掃と乾燥が重要です。

青カビの除去方法(ペニシリウム属)

青カビはパンやミカンなどの食品に生えることでよく知られていますが、湿度の高い布製品や木材、畳などにも発生することがあります。

胞子が軽く、空気中に舞いやすいため、発見次第すぐに密閉して処分するか、エタノールを用いて拭き取りましょう。吸い込まないよう、マスクの着用をおすすめします。

白カビの除去方法(アスペルギルス属・ケトミウム属など)

白カビは押し入れ・寝具・衣類など通気性が悪く湿気がこもりやすい場所に発生します。ふわふわと綿状に広がり、見落とされがちですが、放置するとアレルギーの原因にもなります。

除去にはエタノールや酸素系漂白剤が有効です。衣類の場合は洗濯表示に従い、適切に洗濯・乾燥させてください。

緑カビの除去方法(トリコデルマ属など)

緑カビは建材や土壌に生えやすく、見た目は濃い緑色をしており、観葉植物の土や木製品に付着することがあります。人体に対する毒性は低いとされますが、繁殖力が強いため注意が必要です。

対象の素材に応じてエタノールや塩素系漂白剤を使い分け、再発防止のため乾燥・除湿も徹底しましょう。

カビとは?

カビは真菌(fungus)の一種で、空気中に常に胞子が漂っています。目に見えない状態でも条件がそろえば一気に増殖。種類によっては人体に影響を及ぼすものも多く、住宅にもダメージを与えます。

カビの4大発生原因

カビの4大原因

カビは「湿度」「温度」「栄養源」「酸素」という4つの要因がそろったときに繁殖します。これらを日常的に管理することで、カビの発生を大幅に抑えることができます。

湿度:相対湿度70%以上で繁殖が活発に

カビは湿度が70%を超えると一気に繁殖し始めます。特に梅雨時期や冬場の結露が発生する環境では、浴室や押し入れ、窓周りなどに湿気がたまりやすいため注意が必要です。

温度:20〜30℃が最も活性化しやすい

人が快適と感じる20〜30℃の室温は、カビにとっても成長しやすい最適な環境です。室内がこの温度帯になる季節には、特にこまめな換気や除湿を心がけましょう。

栄養源:ホコリ・皮脂・石けんカスなど

カビは目に見えない汚れでも栄養源にします。具体的には、皮脂、石けんカス、ホコリ、食べ物のカス、油汚れなどが挙げられます。日々の掃除を怠らないことが繁殖防止につながります。

酸素:わずかな酸素があれば増殖可能

カビは無酸素では生きられませんが、極めて少ない酸素でも増殖できます。そのため、密閉空間であっても完全には安心できません。通気性を確保することが基本です。

カビ予防・対策方法

カビを防ぐには「湿度を下げる」「空気を動かす」「栄養源を取り除く」の3つが基本。以下の対策を併用しましょう。

  • 除湿機・サーキュレーターの設置
  • 防カビスプレーや除湿剤の活用
  • 定期的な換気と掃除
  • 結露対策(断熱材・二重窓)

自力でカビ取りをする方法

家庭内の軽度なカビであれば、自分で安全に取り除くことも可能です。正しい手順と道具を使えば、効果的にカビを除去できます。以下では、作業の流れやおすすめの洗剤、注意点について詳しく解説します。

カビ取りの流れ

カビ取り作業を始める前に、下記の流れに沿って安全・確実に行いましょう。

  1. 換気・手袋・マスクなどの準備:作業中にカビの胞子や洗剤を吸い込まないよう、マスクとゴム手袋を着用し、窓を開けて換気を徹底します。
  2. 汚れの除去(掃除):まずはカビの栄養源となるホコリや皮脂汚れを、掃除機や中性洗剤を使って取り除きましょう。
  3. 除去剤の噴霧・塗布:カビの程度や素材に応じた洗剤を選び、カビ部分にスプレーまたは塗布していきます。
  4. 放置→水拭き→乾燥:洗剤の使用説明に従い、数分〜数十分放置した後、濡れタオルで拭き取り、仕上げに乾拭きします。最後にしっかり乾燥させてください。

カビ取りにおすすめの液剤

使用する洗剤はカビの種類や場所に応じて選ぶ必要があります。以下は一般的によく使用される洗剤の特徴です。

  • 塩素系漂白剤:黒カビに強力な効果を発揮します。浴室やゴムパッキンなどに最適ですが、刺激が強いため使用時は注意が必要です。
  • 酸素系漂白剤:衣類や布製品などに適しています。色落ちしにくく、臭いも比較的少ないのが特徴です。
  • エタノール:除菌・再発防止に効果があります。仕上げや軽度なカビ対策におすすめです。
  • 重曹・クエン酸:刺激が少ない自然由来の成分で、キッチンや子どものいる家庭でも安心して使えます。

カビ取りをする上での注意点

カビ取り作業は安全面や素材への影響にも注意が必要です。以下のポイントを守って作業してください。

  • 必ず換気する:薬剤の臭いやカビの胞子を吸い込まないよう、窓を開けて風通しを確保しましょう。
  • 洗剤を混ぜない:塩素系と酸性の洗剤を混ぜると有毒ガスが発生する恐れがあるため、絶対に併用しないでください。
  • 目立たない場所で試す:壁紙や布製品など、色落ちや素材への影響が心配な場合は、目立たない部分でテストしてから使用しましょう。

業者にカビ取りを依頼する方法

カビが広範囲に広がっている場合や、壁内部・天井裏など手の届かない箇所に発生している場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。業者であれば分解洗浄や再発防止施工など、根本的な処置が可能です。

カビ取り業者の費用相場

作業箇所や建材の種類、カビの範囲によって料金は変動しますが、以下が一般的な相場です。

  • 浴室:15,000〜30,000円程度(面積や素材により変動)
  • 壁・天井:20,000〜50,000円程度(防カビ施工を含む場合あり)
  • エアコン分解洗浄:10,000〜25,000円程度(機種や設置場所による)

複数箇所を同時に依頼する場合、セット割引が適用されるケースもあります。

カビ取り業者に依頼する場合の注意点

依頼前には、以下の点を必ず確認しておくことをおすすめします。

  • 高圧洗浄のみの業者に注意:見た目はきれいになっても、根本的な除去や防カビ処理がされていない場合は再発のリスクがあります。
  • 見積もり・現地調査を依頼:電話やWeb上の概算だけで決めず、現場を確認してもらってから正式な見積もりを取りましょう。
  • 保証内容の有無を確認:再発時の再施工やアフター対応の可否など、契約前に必ず確認しておきましょう。

カビ取り業者の選び方

信頼できる業者を選ぶためには、以下のポイントに注目しましょう。

  • 防カビ施工の有無:単なる除去だけでなく、再発を防ぐためのコーティングや薬剤処理を行っているかどうか確認します。
  • 口コミや実績:実際に利用した人の評価や施工事例をチェックしましょう。写真付きの実績紹介があると安心です。
  • 明朗会計とアフターケア:料金体系が明確で、施工後の点検やサポートがある業者が望ましいです。

カビ取りでよくある質問

Q. カビと汚れの見分け方は?

A. 黒ずみが指でこすって落ちれば汚れ。落ちにくく広がるようであればカビの可能性が高いです。

Q. 同じ場所にカビが何度も発生するのはなぜ?

A. 湿気・栄養源・空気の停滞などの根本原因が残っているからです。除去後の再発防止策が重要です。

Q. 赤ちゃんやペットがいる家庭での安全な除去方法は?

A. 重曹やエタノールを使用したナチュラル除去が安心です。塩素系薬剤は使用後に換気・水拭きを徹底しましょう。

カビ取りまとめ

カビは「場所」と「原因」に応じて最適な対処法が異なります。誤った方法では再発や建材の劣化を招くため、正しい知識と対応が欠かせません。

まずは日常の湿度管理・換気から、そして必要に応じて専門業者の力も借りながら、大切な住まいと健康を守っていきましょう。