マンションにカビが生える原因は?対策や除去方法まで解説
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マンションは一戸建てに比べて機密性が高いため、カビが発生しやすい環境にあります。特に賃貸物件の場合、「カビの責任は誰にあるのか?」という費用負担のトラブルに発展しやすく、早期の対応が重要です。
この記事では、マンションでカビが発生する根本原因から、自力でできる除去方法、そして賃貸物件における費用負担の境界線と、退去時の高額請求を避けるための交渉術までを網羅的に解説します。専門的な知識と具体的な対策を身につけ、マンションのカビ問題を解決しましょう。
カビドクターズ代表
牧平 幸
カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。
代表のカビ取りへの想い目次
マンションでカビが発生する3大原因と構造上の問題
マンションのカビ発生原因は、単なる掃除不足だけではありません。建物の構造や環境が大きく影響しているため、まずは根本的な原因を理解することが対策の第一歩です。
カビの生育条件は「温度・湿度・汚れ(栄養)」の3つの具体的な数値基準
カビは以下の3つの条件が揃うことで爆発的に増殖します。特に湿度は、マンションの環境下で最もコントロールが難しい要素です。
| 項目 | 数値基準 | 詳細 |
|---|---|---|
| 湿度 | 60%以上 | 湿度60%以上になると活動が活発化し、80%以上で急速に増殖します。 |
| 温度 | 20〜30°C | 温度20〜30°Cを最も好み、特に梅雨や夏は繁殖の最適期です。 |
| 栄養 | ホコリ、皮脂、石鹸カス、建材の栄養分などがカビの餌となります。 |
マンション特有の「高気密性」が招く湿気問題
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションは、木造住宅に比べて気密性・断熱性が高い構造になっています。この高気密性が、室内の水蒸気を閉じ込めてしまい、以下のような問題を引き起こします。
| 換気効率の低下 | 計画的な換気を行わないと、生活で発生する湿気が室内に滞留し続けます。 |
|---|---|
| 結露の発生 | 外気に接する壁や窓が冷たくなりやすく、室内の湿った空気が急冷されることで水滴(結露)が発生し、カビの栄養源となります。 |
新築マンションにカビが生える意外な理由
新築のマンションでもカビが生えることがあります。これは、建物の構造と乾燥の過程が関係しています。
| コンクリート水蒸気 | RC造のコンクリートは、完全に乾燥するまでに数年かかると言われています。 このコンクリート内部の水分が室内に放出され(躯体の初期湿気)、入居後しばらくは異常に高い湿度状態になりやすいです。 |
|---|---|
| 初期結露 | コンクリートが乾燥する過程で、断熱性のバランスが一時的に崩れ、壁の内部や裏側に結露が発生することがあります。 |
賃貸・分譲別:カビが発生しやすい場所と構造的な弱点
構造上、外壁に面する場所や水回りは特にカビが発生しやすい箇所です。
| 構造 | 特徴的なリスク | 発生しやすい場所 |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート造(RC) | 高気密による結露・初期湿気 | 外壁側の壁、窓サッシ、クローゼットの奥、浴室 |
| 木造・軽量鉄骨造 | 断熱材の不備による壁内結露 | 北側の部屋、押入れ、床下に近い1階部分 |
賃貸マンションでは、構造上の問題によるカビ(例:雨漏り、換気扇の故障)は貸主(オーナー)負担となります。カビを発見したら、除去する前に必ず管理会社に報告し、原因特定を依頼しましょう。
今すぐできる!マンションのカビを自力で除去する方法
カビを発見したら、まずは被害の拡大を防ぐために自力で除去を試みましょう。ただし、建材を傷つけないよう、適切な方法と手順で行うことが重要です。
安全第一:除去作業に必要な道具と作業手順
カビ除去作業は、カビの胞子を吸い込んだり、薬剤で皮膚を傷つけたりしないよう、必ず準備を整えてから行います。
| 準備する道具 | マスク(できればN95など高性能なもの)、ゴム手袋、保護メガネ、カビ取り剤、消毒用アルコール、使い捨ての布や雑巾。 |
|---|---|
| 作業手順 |
|
場所別 カビの除去方法と注意点
壁紙・クロス:漂白剤の使用可否と変色リスク
壁紙は水を吸いやすく、強い漂白剤を使うと色落ち・変色のリスクが非常に高まります。変色が発生した場合、退去時に借主の費用負担となる可能性が高いため、細心の注意が必要です。
| カビの種類・範囲 | 除去方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 軽度のカビ | 消毒用エタノール(アルコール)を吹き付け、乾いた布で軽く叩くように拭き取る | |
| 広範囲・黒カビ | 塩素系漂白剤を薄めた液を布に染み込ませ、軽く叩き込む | 必ず目立たない場所で変色の有無を確認する |
窓サッシ・ゴムパッキン:放置すると危険な根深いカビの落とし方
窓サッシやゴムパッキンは水分が溜まりやすく、カビの根が深く入り込んで取れにくくなります。市販のジェルタイプのカビ取り剤を使い、カビの根まで浸透させて除去するのが効果的です。
クローゼット・押し入れ:収納物のカビと掃除のポイント
収納内部の湿気対策を怠ると、収納している衣類や布団にもカビが移ることがあります。カビを除去する際は、内部のものをすべて出し、アルコールで壁や床を拭き取ります。その後、完全に乾燥させてから収納し直してください。
【プロが解説】市販のカビ取り剤と消毒用アルコールの使い分け
カビ対策には主に塩素系カビ取り剤とアルコール(消毒用エタノール)を使い分けます。
| 塩素系カビ取り剤 | カビの色素(黒カビ)を漂白し、カビを死滅させる力が強い。 主に浴室やパッキンなど、変色リスクが低い場所に使用。 |
|---|---|
| アルコール | カビを殺菌する力が強いが、漂白力はない。 壁紙や家具など、変色させたくない場所や除去後の再発防止に適している。 |
注意点として、塩素系洗剤と酸性洗剤が混ざると有毒ガスが発生し危険です。絶対に混ぜて使用しないでください。
カビの再発を防ぐ7つの日常対策と環境整備
カビ対策は除去よりも「再発防止」が重要です。特に機密性の高いマンションでは、「湿気を溜めないこと」と「空気を動かすこと」を意識した生活習慣が求められます。
湿気対策の要:湿度60%以下を維持する具体的な方法
カビの活動が活発になる湿度60%以上にならないよう、常に室内の湿度をチェックしましょう。
効率的な換気テクニック(対角線、換気頻度)
マンションでは、対角線上にある窓を2箇所開けることで、最も効率的な空気の通り道(対角線換気)をつくれます。難しい場合は、窓と玄関を同時に開け、強制的に空気の入れ替えを行います。理想は1日2回、1回10分以上の換気です。
除湿機とエアコン(ドライ)のベストな活用法
除湿機やエアコンのドライ機能は、湿度の高い季節の必須アイテムです。特に浴室や洗面所など、湿気がこもりやすい場所には除湿機を設置し、湿気を集中的に取り除きましょう。エアコンは送風運転を併用することで、内部のカビ予防にもつながります。
結露をシャットアウトする物理的対策(家具の配置、断熱材)
| 家具の配置 | タンスやベッドなどの大型家具は、外壁側の壁から5~10cm以上離して配置し、壁との間に空気の通り道をつくりましょう。 |
|---|---|
| 結露の拭き取り | 窓や壁に発生した結露は、見つけ次第すぐに拭き取り、水分を放置しないことが大切です(善管注意義務の履行)。 |
ライフスタイル改善:水蒸気を増やさない生活習慣
日常生活で発生する水蒸気をできるだけ早く排出する習慣を身につけます。
| 浴室 | 入浴後は水滴を軽く拭き取り、換気扇を数時間回し続けます。 |
|---|---|
| 洗濯物 | 部屋干しをする際は、窓を開けて換気扇を回すか、除湿機とサーキュレーターを併用し、短時間で乾かすようにします。 |
| 加湿器 | 使用後は必ず周囲の壁や床をチェックし、濡れていないか確認します。 |
マンションのカビを業者に依頼した場合の費用相場・費用を抑えるポイント
カビ除去費用の相場と費用を抑えるポイント
カビ除去の費用は、発生箇所や範囲、カビの根の深さによって大きく変動します。目安としては以下の通りです。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| 浴室・水回りのカビ除去 | 5,000円〜30,000円程度 |
| 壁紙の一部張り替えを含むカビ除去 | 10,000円〜50,000円程度 |
| 広範囲・下地材まで腐食が進行したカビ | 30,000円〜80,000円以上 |
費用を抑えるポイントとして、賃貸物件の場合、費用負担の責任の所在を明確にすることが、費用を抑える最大のポイントです。
| 早期の発見と報告 | カビが広がる前に管理会社へ通知し、建物の構造上の問題(雨漏り、換気扇故障など)を指摘します。 |
|---|---|
| 見積書の確認 | 業者から提示される見積書の内訳(作業内容、単価、面積)を詳細に確認し、不当な高額請求でないかチェックします。 |
| 公的機関への相談 | 不当な請求と思われる場合は、国土交通省の原状回復ガイドラインを根拠に異議を申し立て、それでも解決しない場合は消費生活センターなどの第三者機関に相談しましょう。 |
賃貸の場合、勝手に業者を手配せず、必ず管理会社・オーナーの指示に従ってください。独断で依頼した費用は自己負担となります。
マンションのカビについてよくある質問
- マンションでカビが発生しやすい階はありますか?
- 階によるカビ発生の大きな違いはありません。ただ、1階は床下からの湿度を取り込みやすいことから、カビが繁殖しやすいと言われています。また、最上階は屋根からの熱の影響で結露が発生しやすくなることもあります。
- マンションのカビ除去費用は?
- 詳しくは上記の「カビ除去費用の相場と費用を抑えるポイント」をご覧ください。広さや深さにより費用は大きく変動します。なお、賃貸物件の場合は費用負担の責任の所在が最も重要です。
- マンションの部屋にカビが発生した場合、最初に業者に連絡すべき?オーナー?
- 賃貸の場合は必ず管理会社またはオーナーに連絡してください。カビ発生を報告しないと、善良な管理者としての注意を払う義務(善管注意義務)違反となり、「放置したことによるカビの拡大」とみなされ、カビ除去の費用負担の割合が賃借人(借主)の方が多くなる可能性が高まります。証拠写真を撮って、迅速に報告することが最重要です。
- カビが原因で健康被害が出ることはありますか?
- カビは見た目の問題だけでなく、人体にも影響を及ぼします。特にカビの胞子を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、重篤なケースでは過敏性肺炎などを引き起こすことがあります。健康被害を避けるためにも、早期の発見と対処、そして日常的な換気・湿気対策が非常に重要です。
マンションに発生するカビのまとめ
マンションのカビ対策と費用負担回避の鍵は、以下の3点に集約されます。
| ポイント | 説明 |
|---|---|
| 【責任回避】 | 賃貸物件では、カビを発見したら「記録→報告→原因特定」の初期対応を徹底し、善管注意義務を果たしていたことを明確に示すこと。 |
| 【再発防止】 | マンション特有の「高気密性」を理解し、湿度60%以下を目標に「空気を動かす」「結露を放置しない」生活習慣を定着させること。 |
| 【交渉】 | 不当な高額請求を受けた際は、国土交通省の原状回復ガイドラインや公的相談窓口を根拠に、冷静に交渉に臨むこと。 |
カビは再発しやすい性質を持つため、日々の対策を続けることが、費用負担のリスクと健康被害から身を守る最善の方法です。