ピンクカビ(赤いぬめり)の正体『ロドトルラ』の落とし方【原因・予防・黒カビとの違い】
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浴室や洗面台に現れる赤いぬめり、それは「ピンクカビ」と呼ばれる微生物です。見た目の不快感だけでなく、放置すると黒カビや悪臭の原因にもなります。
実はこのピンクカビ、落とし方と予防法を知っていれば驚くほど簡単にコントロールできます。本記事では、専門的な知識と実践的な方法をまとめました。
「なぜ発生するのか?」「どうすれば落とせるのか?」「再発を防ぐには?」気になる疑問をすべて解説します。今日からすぐに役立つ対策を取り入れて、清潔な住まいを取り戻しましょう。


カビドクターズ代表
牧平 幸
カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。
代表のカビ取りへの想い目次
ピンクカビとは?
ピンクカビとは、主にロドトルラという酵母様真菌やセラチアという細菌が原因で発生する赤〜ピンク色のぬめりです。浴室や洗面台など、水分や石けんカスが残る場所でよく見られます。
黒カビのように根を深く張る性質はなく、表面にとどまるため比較的落としやすいのが特徴です。ただし、湿気や汚れが残る環境が続くと短期間で再発する点には注意が必要です。
ピンク色になる理由と原因菌の概要
ロドトルラはカロテノイド色素を生成するため、表面が赤〜ピンク色に見えます。さらに、セラチアなどの赤色細菌が加わると色味が濃くなり、広がって見えることもあります。
どちらの菌も「水分+汚れ」が揃えば容易に繁殖します。石けんカス、皮脂、ホコリなど日常的な汚れがそのまま栄養源となってしまうのです。
発生条件(湿度・温度・栄養源)
ピンクカビは高湿度、20〜35℃の温度帯で活発に増殖します。これは人が快適に過ごす温度とほぼ同じであり、日常生活の中で非常に発生しやすい条件と言えます。
また、皮脂や石けんカスといった有機物は菌にとって格好の栄養源です。逆に乾燥と清掃を徹底するだけで、繁殖スピードは大きく落ちます。
発生しやすい場所(浴室・洗面台・トイレ・窓枠・キッチン)
浴室の床や排水口、洗面ボウルの縁、トイレの手洗い場、窓枠のゴムパッキンやサッシ溝など、水分が残りやすい場所はすべて要注意です。
キッチンのシンク周りや三角コーナーも発生しやすい代表的なスポットです。使用後に水気を拭き取るだけでも予防効果が期待できます。
人体への影響
ピンクカビ自体は、黒カビほど強い健康被害をもたらすものではありません。
しかし、不衛生な状態を放置すると菌が空気中に舞い、影響が出る可能性があります。特にアレルギー体質の方や、免疫力が低下している方は注意が必要です。
具体的には、肌荒れやアトピー性皮膚炎の悪化に関与することがあります。また、尿路感染症の原因になるケースも報告されています。
さらに、セラチアは医療現場でも問題視される細菌です。抵抗力が弱い子どもや高齢者にとっては、無視できないリスクとなります。
ピンクカビの落とし方
ピンクカビは黒カビほど根が深くなく、表面に付着しているだけの弱い菌です。そのため強い薬剤を使わなくても落とせるのが特徴です。
基本は「中性洗剤」や「アルカリ性洗剤(酵素系)」といった安全性の高い洗剤で十分対応できます。見つけたらすぐ拭き取ることで、短時間で清潔さを取り戻せます。
市販洗剤の使い分け(中性/アルカリ/塩素)
軽度のぬめり:中性洗剤でOK。クロスやスポンジに含ませてサッと拭きます。
石けんカスや皮脂汚れ:アルカリ性洗剤が効果的。分解作用で汚れを落とし、菌の栄養源を断ちます。
広範囲やしつこい汚れ:塩素系漂白剤が有効。ただし素材によっては変色・劣化の恐れがあるため、目立たない部分で必ず試しましょう。
- 作業は手袋・マスク着用で換気を徹底すること
- 酸性洗剤と塩素系は絶対に混ぜない(有毒ガス発生の危険)
素材別の手順(ゴムパッキン/タイル目地/コーキング/窓枠)
発生場所によって落とし方のコツが異なります。素材に合わせて薬剤を使い分けることで、きれいに仕上げつつ劣化も防げます。
ゴムパッキン
軽度なら中性〜アルカリ洗剤で数分置き、ブラシで優しくこすります。その後は水拭き→乾拭きで仕上げます。
しつこい黒ずみは塩素系ジェルを塗り、キッチンペーパー+ラップで30〜60分湿布。最後に拭き取り、送風で完全乾燥させます。
タイル目地・コーキング
まず乾いた状態で砂やホコリを取り除きます。次に中性→アルカリの順で短時間洗浄。
落ちにくい箇所は漂白ジェルでパックし、浮いた汚れをブラシで優しくこすり、水分を残さず拭き取ります。
窓枠(パッキン・サッシ・木部)
樹脂・アルミ・パッキンは中性→アルカリ→必要なら塩素の順で対応。結露が多い日は作業前に必ず水気を拭き取ります。
木部は塩素を避け、エタノールで拭き取り後すぐ乾拭き+送風。変色や劣化を防げます。
安全対策とNG行為
カビ掃除では必ず保護具を着用してください。窓を開け、換気扇を回しながら短時間で作業するのが安全です。
酸性洗剤と塩素系洗剤の併用は厳禁です。使用後は水拭きで残留を除去し、最後に乾拭きと送風で仕上げましょう。
再発を防ぐ予防メンテナンス
ピンクカビは発生しやすい一方で、日常の小さな習慣で簡単に予防できます。キーワードは「乾燥」「換気」「清掃」です。
毎日のひと拭きと換気だけでも発生率は大きく下がります。さらに週1・月1で念入りに清掃することで、頑固な再発を防げます。
毎日・週1・月1のルーティン
毎日:使用後に水気を切り、タオルやスクイージーで拭き上げる。5〜10分換気。
週1:中性〜アルカリ洗剤で軽く清掃。
月1:排水口や隅の汚れを重点掃除。小物の底も忘れずに。
結露対策と温度差コントロール
入浴や料理後は短時間の換気で湿気を逃がし、サーキュレーターで空気を回すと乾燥が早まります。
窓には結露吸水シートや断熱フィルムを使うと効果的。梅雨や冬場は除湿機やエアコンの除湿運転も有効です。
家族やペットがいる場合の配慮
洗剤は必ず手の届かない場所に保管しましょう。使用中は子どもやペットの立ち入りを避けてください。
香りが強い薬剤は短時間で使い、換気後に仕上げの水拭きを徹底することで安全性が高まります。
ピンクカビと黒カビの違い
ピンクカビは表面のぬめりが中心で、落としやすい傾向です。黒カビは素材の内部に根を張りやすく、除去が難しいです。
どちらも水分と汚れが原因です。早期の拭き取りと乾燥が共通の対策になります。
健康リスク・対処難易度・再発性の比較
健康リスクは黒カビの方が高いとされます。アレルギーや呼吸器症状の懸念があります。
ピンクカビは落としやすいものの、環境が同じなら再発します。清掃後の乾燥を徹底してください。
見た目での見分け方と判断フロー
ピンク〜赤のぬめりはピンクカビの可能性が高いです。中性洗剤で落ちやすいのが特徴です。
濃い黒や点状の広がりは黒カビを疑います。残る場合は無理をせず、専門相談も検討します。
賃貸物件で発生したときの対応
まずは写真と日時を記録します。清掃前に管理会社へ連絡し、指示を確認します。
清掃後もビフォーアフターを残すと安心です。薬剤の使用可否も文面で共有しましょう。
管理会社への連絡と記録の残し方
発見時・清掃前・清掃後の写真を撮ります。場所や範囲もメモします。
電話の内容はメールで要点を再送します。合意事項を明確に残せます。
費用負担の考え方(生活習慣/構造要因)
換気や清掃不足が主因なら入居者負担が一般的です。断熱不足など構造要因が大きい場合は貸主負担の可能性があります。
判断が難しいときは管理会社に相談します。保険や修繕の可否も合わせて確認してください。
ピンクカビのよくある質問(FAQ)
Q. ピンクカビと赤カビは同じですか?
生活情報では同義として扱われます。ロドトルラやセラチアが関与します。
対策は同じです。拭き取り→洗浄→乾燥でリセットできます。
Q. 重曹やお酢でも落とせますか?
軽度のぬめりや水アカには有効です。重曹は物理的な落としに向きます。
落ちにくい着色は市販洗剤が確実です。お酢と塩素系は絶対に混ぜないでください。
Q. 放置すると黒カビになりますか?
ピンクカビ自体が黒カビに変わるわけではありません。ただし同じ環境なら黒カビも生えやすいです。
早期の清掃と乾燥で、黒カビの発生リスクも下げられます。見つけたら当日対応が安心です。
Q. 小さな子どもがいる場合の安全な掃除方法は?
中性洗剤やアルコールで短時間の拭き取りが基本です。作業中は立ち入りを避けます。
強い薬剤を使ったら、水拭きで残留を減らし、十分に換気してから戻します。
まとめ
ピンクカビは「水分+汚れ」が原因です。見つけたら当日中に落とし、乾かすだけで効果が出ます。
中性→アルカリ→必要なら塩素の順で対応し、最後は乾燥まで行います。日々のひと拭きと換気で、再発はしっかり防げます。