【完全版】黒カビの人体への影響・発生原因・除去方法を専門家が解説

牧平 幸
執筆者

カビドクターズ代表

牧平 幸

カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。

繁殖力が高く頑固なカビでお馴染みの黒カビについて、まずは人体への影響について見ていきましょう。

黒カビが人体に与える影響

黒カビは、種類や毒性問わず、吸い込み続けるとカビアレルギーの発症原因になるなど、人体に悪影響を及ぼします。

また、中にはトリコテセンという毒性を生成する「スタキボトリス属」という黒カビの種類もあるため、基本的には黒カビは発見したら早く除去することをおすすめしております。

黒カビの種類

黒カビにも種類があり、日本で最も発生する黒カビは「クラドスポリウム属」と「アスペルギルス属」です。

黒カビ種類 毒性 人体への影響
クラドスポリウム属 アレルギー反応や呼吸器系への軽度の影響
アスペルギルス属 アレルギー、呼吸器系感染症
スタキボトリス属 トリコテセン毒素による頭痛、呼吸困難、免疫系への影響
アルテルナリア属 アレルギー性鼻炎、喘息の悪化
ペニシリウム属 免疫力低下者に感染症を引き起こす可能性あり

黒カビは「毒性」よりも「生命力」に注意

黒カビ(主にクラドスポリウム属・アスペルギルス属)は、他のカビと比較して栄養源が豊富なこと、また通常は20〜30℃の温度でカビは活発になるのですが、黒カビは10℃以下や40℃以上でも活動的なことから、生命力が強く繁殖力が高いといわれています。

カビは吸い込み続けると、毒性の有無に関わらず人体へ悪影響を及ぼすため、黒カビが発生すると非常に厄介なことは間違いありません。

黒カビが原因で発症する症状

黒カビが原因となり発症する、6つの代表的な症状をご紹介します。

症状①カビアレルギー

カビアレルギーとは、カビ胞子を吸い込むことで起こるアレルギー反応であり、黒カビを吸い込み続けることで発症します。

軽度なカビアレルギーであれば、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、花粉症と似た症状が現れますが、慢性化すると日常生活に支障をきたすほど深刻な症状となります。

症状②マイコトキシン中毒

黒カビが生成する有害物質「マイコトキシン」は、長期間の曝露により体内に蓄積され、中毒症状を引き起こします。

頭痛や倦怠感、めまいなどの症状が現れ、特に免疫力が低下している人や子ども、高齢者に悪影響を与えます。

マイコトキシンは一度体内に入ると、排出が難しいため、早期に対策を講じることが重要です。

症状③過敏性肺炎

黒カビの胞子を長期間吸い込むと、肺に炎症が生じる過敏性肺炎を引き起こすことがあります。

この病気は、主にアレルギー体質の人や免疫力が低下している人に多く見られ、慢性的な咳や呼吸困難が症状として現れます。

症状④慢性閉塞性肺疾患

黒カビが引き起こす長期的な肺へのダメージにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症するリスクが高まります。

これは気道が狭くなり、息切れや咳が慢性的に続く病気で、喫煙者やアレルギー体質の人に多く見られます。

症状⑤アスペルギルス症

黒カビの一種であるアスペルギルス属が引き起こす感染症で、特に免疫力が低下している人にとって重大なリスクとなります。

アスペルギルス症は、肺や副鼻腔に感染し、呼吸困難や胸痛、発熱などの症状を引き起こす可能性があります。

免疫抑制療法を受けている方や高齢者は特に注意が必要です。

症状⑥がん

現時点では、黒カビには発がん性物質は発見されておりません。

ただし、黒カビ以外の黄緑色のカビである「アスペルギルス・フラバス」や「アスペルギルス・パラシチカス」には、発がん性物質が発見されています。

カビは10万種類存在し、今後、黒カビでも発がん性物質が発見される可能性は十分あるため要注意です。

黒カビの発生原因

黒カビの発生原因は「湿度・温度・汚れ・酸素」の4つであり、中でも「湿度・温度」が黒カビの発生原因に大きく影響します。

湿度:60%以上は危険

黒カビが発生しやすい環境の一つが高湿度で、湿度が60%以上になると、カビの胞子が活発に活動を始め、壁や天井などに黒い斑点が現れ始めます。

梅雨の時期や冬場に部屋を締め切っている場合は、特に注意が必要です。

湿度計を使って定期的に室内の湿度を確認し、換気や除湿機の使用で湿度を抑えることが大切です。

温度:20〜30℃は危険

黒カビが最も活動しやすい温度は、20℃〜30℃です。

この温度帯は、人が快適に感じる環境でもあるため、家の中でカビが発生しやすい条件と重なるため非常に厄介です。

対策として、カビはどちらかといえば高温度を好むため、15〜25℃の少し肌寒い程度の温度にすることをおすすめします。

黒カビの前兆「ロドトルラ」には要注意

お風呂場にぬるぬるしたピンク色の汚れを見たことはないでしょうか。このピンク色の汚れの正体は「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌で、黒カビの前兆といわれています。

ロドトルラは、20℃〜30℃の温度で湿気が多い場所を好み、皮脂や石鹸カスを養分とし、非常に高い繁殖力を持っている点が特徴的な菌です。

ロドトルラと黒カビの繁殖条件が合致することから、「ロドトルラが発生したら黒カビが発生する」といわれるほど、ロドトルラを見つけたら黒カビが発生する可能性が非常に高いと覚えておきましょう。

黒カビが発生しやすい場所

黒カビは湿気が多く換気が不十分な場所に発生します。具体的には以下のような場所です。

発生場所①浴室(バスルーム)

浴室は水を使う頻度が高く、湿度が非常に高くなるため、黒カビの発生リスクが最も高い場所です。特にタイルの目地やシャワーカーテン、排水口周辺はカビが繁殖しやすいです。

発生場所②キッチン

キッチンも水を頻繁に使用する場所で、湿気がこもりがちです。

特にシンク周り、蛇口の根元、調理器具の収納場所など、湿気が溜まりやすい部分に黒カビが発生しやすいです。

発生場所③窓枠やサッシ周辺

結露が発生しやすい窓枠やサッシ周りも黒カビの温床です。

特に冬場、外気と室内の温度差が大きい時に窓に結露が発生し、その水分が黒カビの繁殖を促します。

発生場所④エアコン内部

エアコンの内部は、冷房運転中に湿気が溜まりやすく、運転停止後にその湿気がカビの発生を促します。

エアコンを使う頻度が高い夏場に特に黒カビが繁殖しやすいです。

発生場所⑤クローゼットや押入れ

クローゼットや押し入れの中は通気性が悪く、湿気がこもりやすい場所です。

収納物が多い場合、空気が滞留し、黒カビが発生しやすくなります。

発生場所⑥カーペットやラグの下

カーペットやラグの下は、湿気が溜まりやすく、掃除が行き届かないことが多いため、黒カビが発生しやすい場所です。

特に床に接触している部分で湿気がこもりやすくなります。

発生場所⑦壁紙や天井裏

壁紙や天井裏は、漏水や結露などで湿気が溜まりやすい場所です。

特に壁紙の裏側は、目に見えない部分でカビが繁殖していることが多く、気づきにくいのが特徴です。

カビ取り液剤の種類

黒カビ除去方法をお伝えする前に、黒カビ除去に最適なカビ取り液剤の種類について解説していきます。

カビ取り液剤には「成分」と「液タイプ」によって種類が分類され、頑固な黒カビを落とすには塩素系洗剤のジェルタイプがおすすめです。

種類①成分

カビ除去液剤には5種類存在し、黒カビを自力で除去をするには「塩素系洗剤」を使用する必要があります。

洗浄力 身体
への影響
素材
への影響
重曹・クエン酸 弱い 安全 安全
中性洗剤 普通 問題なし 問題なし
アルカリ性洗剤
(酸素系洗剤)
少し強い 基本的に
問題なし
基本的に
問題なし
塩素系洗剤 強い 注意 注意
【業者用】
高濃度洗剤
超強い 要注意 要注意

塩素系洗剤のカビ取り液剤の商品としては「カビハイター」や「カビキラー」などがあります。

ただし、いずれの塩素系洗剤も非常に強力なため、カビが発生している箇所の素材によっては傷んでしまうリスクもあります。

またリビングなどの生活環境に使用する場合は匂いも注意が必要です。

素材や健康への影響が不安な方は、塩素系洗剤の中でも塩素系濃度が低いカビ取り液剤を選ぶことをおすすめします。

種類②液タイプ

液の形状によって種類が存在し、カビの頑固さによって使い分ける必要があります。

液タイプ 洗浄力 こんな方におすすめ
ジェルタイプ 掃除頻度が少なく、カビが頑固になってしまった方。
液タイプ 適度に掃除をおこなっている方。
泡タイプ 頻繁に掃除をおこなう方。

頑固な黒カビが発生している場合はジェルタイプ一択です。

ただし、ジェルタイプはつけおきする必要があり、適切に使用しないと素材を傷めてしまうリスクが高いため注意しましょう。

黒カビの除去方法

それでは、本題の黒カビの除去方法をお伝えします。黒カビ別に、基本的な手順とおすすめカビ取り液剤とをご紹介します。

基本手順

どのような黒カビが発生した場合でも、基本手順は以下の通りです。

  1. 可能な限り風通しをよくする
  2. カビ以外の汚れを拭き取る
  3. 100均のハケや歯磨きで、カビ取り液剤をカビが発生する素材に塗り込む
  4. 液剤を塗布した場所にサランラップを覆う
  5. 放置
  6. 雑巾で丁寧に水拭き

上記手順の中で、カビの頑固さによって「使用するカビ取り液剤」と「放置する時間」を変えます。それではカビの種類別に紹介します。

方法①頑固な黒カビ除去方法

カビ液剤 キッチンハイター20g×片栗粉1g
放置時間 夜通し

頑固な黒カビには、塩素濃度6%のキッチンハイターに片栗粉を混ぜたオリジナル液剤を使用します。

キッチンハイターは塩素系洗剤の中でも塩素濃度が6%と、一般的なカビ取り液剤よりも2倍以上高いため、カビ取り液剤として非常に優秀です。

また、片栗粉を混ぜることでジェル状にすることができ、長時間カビ液剤をカビ発生箇所に塗り続けることができるため、頑固なカビの根本からカビを除去することが可能となります。

キッチンハイターと片栗粉の量は、それぞれ「20g」と「1g」程度で、20秒ほどかき混ぜると完成します。

コーキングなどに発生する頑固か黒カビは、一回の手順で落とせることは稀で、多くの場合は2回、3回ほど繰り返す必要があります。

方法②痛みやすい素材向けの黒カビ除去方法

カビ液剤 キッチンブリーチ20g×片栗粉1g
放置時間 1時間

続いては、痛みやすい素材に発生した黒カビの除去方法です。

壁紙や幅木など、痛みやすい素材の場合は、キッチンブリーチなど塩素濃度が低い塩素系漂白剤から試しましょう。

放置する時間も、1時間程度から試すことをおすすめします。

塩素濃度と素材への配慮のバランスが非常に難しいですが、塩素濃度を濃くすることと、放置する時間を少しずつ変えながら何度も挑戦してみましょう。

方法③発生したばかりの黒カビ除去方法

カビ液剤 キッチンハイター1g×水100g
放置時間 1時間

発生したばかり、あるいは発生してから日が浅い黒カビは、ハイターなどの塩素系漂白剤と水で希釈したカビ液剤で十分落とすことが可能です。

希釈率は使用する塩素系漂白剤によって異なりますが、塩素濃度6%のキッチンハイターであれば100倍に薄めることをおすすめします。

なお、素材の根元までカビが繁殖していた場合は、上記手順で落ちない可能性があります。

その場合は、片栗粉を混ぜてジェル状にしてカビ除去を行いましょう。

黒カビ除去の注意点

注意①洗い残さない

実は、上述したカビ取り液剤に含まれる片栗粉には、少量のタンパク質が含まれており、カビにとってタンパク質は栄養源となります。

そのため、片栗粉を含むカビ取り液剤の洗い残しがあると、逆にカビが繁殖しやすい環境を作ってしまう原因になります。

必ず、片栗粉を含むカビ取り液剤を使用したら、洗い残しがないよう丁寧に拭き取りましょう。

注意②ジェルにならない場合は新しいキッチンハイターを使用

キッチンハイターの塩素濃度は6%と一般のカビ取り液剤より高濃度ですが、一度開封してしまうと、光や温度によって塩素は抜けてしまいます。

塩素濃度が低くなると、片栗粉と混ぜてもジェル状にならない場合があります。

ジェル状にならない場合は、新しいキッチンハイターを購入しましょう。

注意③ゴシゴシ擦らない

黒カビは、擦れば擦るほどカビ胞子が飛んでしまいます。

どれだけ丁寧にカビ除去しても、必ず少しは胞子が飛んでしまいますが、可能な限り擦らずに丁寧に押し付けるように汚れを取るよう心がけましょう。

黒カビを発生させないための環境作り

黒カビ対策は、カビの発生原因である「湿度・温度・汚れ」の管理が重要となります。

特別なことはなく、こまめな習慣改善によって黒カビが発生しない環境づくりは可能です。

具体的な3つの取り組みを紹介します。

こまめな水気取り&除湿

湿気対策は防カビにとっても重要な対策です。特に水気が多い場所はカビが簡単に発生するため十分気をつける必要があります。

習慣としては、キッチンは水の拭き残しをなくすこと、また浴室はタオルで水を拭きとるだけで、黒カビ対策には効果的です。

可能であれば、除湿機、あるいは除湿アイテムを使用して、湿度を50%以下にコントロールするよう心がけましょう。

2,000円以内で買えるおすすめの除湿商品は「備長炭ドライペット」です。部屋に置くだけで除湿効果を期待できるので、空気の入れ替えが難しい部屋に活用しましょう。

こまめな掃除

黒カビの発生を防ぐには、汚れを溜めないことが重要です。

特に水回りや換気の悪い場所は、カビの原因となる汚れやカビの胞子が溜まりやすいため、こまめに掃除を行いましょう。

浴室の壁や床、シンク、排水溝などは、定期的に漂白剤やカビ取り剤を使って清潔に保ちましょう。

また、使用後のバスタオルや布巾を乾かすこともカビ予防には有効です。汚れを残さないことが、黒カビの発生を抑える第一歩です。

こまめな換気

湿気がこもると黒カビが発生しやすくなるため、こまめな換気が非常に重要です。

浴室やキッチン、押し入れなど、湿気が溜まりやすい場所は定期的に換気を行い、空気を循環させるようにしましょう。

特に、窓を開けるだけでなく換気扇を回すことで効果的に湿気を外に排出することができます。

寝室やリビングなども時々窓を開けて外気を取り入れることで、湿度を下げる効果が期待できます。

まとめ

黒カビは吸い続けることで人体に悪影響を及ぼすため、黒カビを発見したら即座にカビ除去をおこないましょう。カビの中でも生命力と繁殖力が異常に高いため、早急な対応が必要です。

そして、黒カビ除去時におすすめのカビ取り液剤は「キッチンハイター×片栗粉」のオリジナルカビ取り液剤です。キッチンハイター20gに対して片栗粉1gを混ぜ、カビが発生する素材に塗り付け、数時間放置すれば、ほとんどの黒カビの除去が可能です。

また、黒カビを発生させない方法は「こまめな除湿・換気・掃除」の3点が重要です。

どうしても落とせない黒カビや、素材への配慮含め気になる方は関西・関東・中部地方のカビ取り専門集団「カビドクターズ」にお気軽にご相談くださいませ。

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