加湿器のカビで肺炎?カビ取り方法・防カビ対策・加湿器別注意点まとめ
最終更新日:2024年11月16日
カビドクターズ代表
牧平 幸
カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。
加湿器は乾燥対策に非常に便利ですが、実は最もカビの温床になりやすい機器でもあります。さらに、加湿器からカビの胞子が空気中に放出されると、部屋全体にカビが発生し、アレルギーや肺炎などの健康被害に発展します。
実は、日本全体の肺炎の約5%は、加湿器が原因とも言われています。
この記事を読むことで、以下のことがわかるようになります。
- 加湿器にカビが生える原因
- 加湿器に発生するカビを放置することで起こるリスク
- 加湿器のカビ取り方法
- 加湿器の防カビ対策
- 加湿器別の注意箇所
加湿器にカビが発生し、部屋全体にカビが生えて、カビ取り業者に10万円以上のお金を支払うことになる可能性もあります。
加湿器のカビ対策は日常習慣で簡単に取り入れられるので、ぜひ活用してください。
加湿器にカビが生えてしまう3大原因
カビの繁殖には「湿度・温度・汚れ」の3つが大きく影響します。特に「温度20〜30℃」かつ「湿度60%以上」の条件が揃うと、カビは活発になり急速に繁殖します。
加湿器の使用環境は、湿度と温度がカビの好条件を満たしやすい上に、ホコリ(汚れ)が溜まりやすいため、カビが最も繁殖しやすい場所です。
さらに以下に該当する方は、加湿器にカビが発生しやすいため注意が必要です
水タンクの水を入れたまま放置する
加湿器の水を1日放置すると、カビの胞子が付着して繁殖を始めます
2日放置するだけでコロニーと呼ばれる状態になり、目に見えるほどカビが繁殖する可能性があります。
水を捨てにずに、入れ続けて使用している方も同様に注意が必要です。
水道水以外の水を使用している
水道水には、健康被害がない微量の除菌効果のある塩素(カルキ)が含まれているため、カビにも効果的です。
そのため、ミネラルウォーターや浄水器を使用してしまうと、カビにとっては好都合の繁殖しやすい環境となってしまうのです。
加湿器にもミネラルウォーターや浄水器を使用している方は注意が必要です。
加湿器フィルターの使用期限が切れている
加湿器で最も汚れる箇所は加湿器フィルターです。
そのため、加湿器フィルターに溜まった汚れがカビの栄養となり、カビの繁殖を増進させます。
湿気を含んだままの古いフィルターはカビの温床なので、シーズンごとに交換し、定期的に水洗いすることで清潔な状態を保ちましょう。
加湿器のカビが原因で起こるリスク
加湿器にカビが繁殖したまま使用すると、空気中にカビの胞子や有害物質が放出され、健康被害を引き起こします。
カビを放置し続けることで起こる代表的なリスクを紹介します。
リスク①カビアレルギー
加湿器から拡散されるカビの胞子を吸い込むと、カビアレルギーを引き起こすことがあります。
症状としては、鼻水、くしゃみ、目のかゆみが挙げられ、特にアレルギー体質の人は症状が悪化しやすいです。
放置すると、喘息や気管支炎の原因にもなります。
▼ 合わせて読みたい記事
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リスク②カビ毒(マイコトキシン)
マイコトキシン(カビ毒)と呼ばれる有毒性のカビを吸い込むと、咳、呼吸困難、気道の炎症など、呼吸器に深刻な影響を及ぼします。
さらに、長期的な曝露は肝臓や腎臓の機能低下や免疫力の低下を引き起こし、がんのリスクも高まります。
リスク③肺アスペルギルス症
アスペルギルス属のカビを吸い込むことで、肺アスペルギルス症という感染症を引き起こすことがあります。
特に、免疫力が低下している人や高齢者、喘息患者は要注意です。症状としては、咳、胸の痛み、発熱が挙げられ、重症化すると呼吸不全に至ることもあります。
リスク④レジオネラ症
加湿器の水を放置することで、カビ以外にもレジオネラ菌が繁殖することがあります。
レジオネラ菌が空気中に放出され、それを吸い込むことでレジオネラ症(加湿器肺炎)を発症する恐れがあり、なんと世の中の肺炎の約5%をレジオネラ症による肺炎が占めていると言われています。
レジオネラ症は、高熱、咳、呼吸困難といった肺炎に似た症状が現れ、特に高齢者や免疫力が低下している人にとっては命に関わるリスクがあります。
加湿器のカビを防ぐ方法
加湿器はカビが最も繁殖しやすい機器であり、部屋全体にカビをばら撒き健康被害に発展するリスクもあるため、対策をする必要があります。
そこで、誰でもできる手軽で効果的な防カビ対策を3つご紹介します。
タンクの水を毎日入れ替える
防カビ対策に最も効果的な方法は、タンク内の水を毎日入れ替えることです。
カビは、湿った環境で数時間〜24時間以内に発芽し、2〜3日で目に見えるほどの集合体(コロニー)を形成します。
そのため、毎日新しい水に入れ替えれば、カビが成長して空気中に有害な物質を放出するリスクを抑えられます。
面倒に思うかもしれませんが、わずかな手間で健康リスクを大幅に低減できるため明日から取り組んでください。
水道水を使う
加湿器には水道水を使うのが鉄則です。なぜなら、水道水には微量の塩素が含まれており、この塩素がカビの繁殖を抑えてくれるからです。
浄水器を通した水やミネラルウォーターは塩素が除去されているため、カビにとって理想的な環境を作り出してしまいます。
水道水を使うだけで、加湿器内のカビリスクを大幅に減らすことができ、手軽に実践できる対策です。
加湿器を壁から離して設置する
加湿器を使用する際は、壁や家具から30cm以上離して設置しましょう。
壁際に置くと、湿気が溜まり、壁やカーテンにカビが繁殖する原因になります。
湿気がこもらないよう、部屋の中央や風通しの良い場所に設置することで、湿度が均一に行き渡り、カビの発生を防げます。
以上が、誰でもできる手軽な防カビ対策です。最後に、加湿器の種類別の注意点も紹介します。
加湿器の種類別注意点
加湿器は「スチーム式」「超音波式」「気化式」「ハイブリッド式」の4種類があり、それぞれカビや汚れが溜まりやすい場所が異なります。
それぞれの加湿器で注意すべき箇所を表にまとめました。
種類 | 注意点 |
---|---|
スチーム式 | ヒーター部分 |
超音波式 | 超音波振動子(ミスト生成部分) |
気化式 | フィルター |
ハイブリッド式 | ヒーター部分(温風加湿タイプ) |
利用者が最も多い超音波式の加湿器は、超音波の発生部分に汚れが溜まりやすいので、綿棒などで手入れをしてあげましょう。
水道水の塩素(カルキ)が溜まりやすいため、2週間〜3週間ごとに手入れをしてあげるとより良いです。
加湿器のカビ取り方法
カビが発生してしまったら、カビを表面だけでなく根本から死滅させる必要があります。
カビドクターズがおすすめする加湿器のカビ取りアイテムは「クエン酸」です。
ステップバイステップで、加湿器のカビ取り方法を解説します。
STEP①タンクの水をすべて抜いて洗浄する
まずは、タンク内の残り水を完全に捨てます。そして、タンク内部を中性洗剤を使ってスポンジで優しくこすり洗います。
STEP②クエン酸を使ってカビを根こそぎ除去
頑固なカビには、クエン酸を使った洗浄がおすすめです。クエン酸は食品にも使われる成分で、カビや水垢の除去に効果的です。
- タンクに水1Lに対してクエン酸大さじ1杯を溶かす
- 30分〜1時間ほど浸け置きし、カビを浮かせる
- ブラシやスポンジで軽くこすり、流水でしっかりすすぐ
STEP③フィルターや部品も忘れずに清掃
加湿器のフィルターや部品にもカビが繁殖することがあります。特にフィルターは空気を通すため、カビやホコリが溜まりやすい場所です。
- フィルターは取り外して水洗いし、乾燥させる
- 部品はクエン酸水で拭き取るか、薄めた中性洗剤で洗う
- 完全に乾かしてから再度組み立てることで、再びカビが発生するのを防ぐ
STEP④乾燥させてから再組み立て
加湿器のカビ取りが終わったら、必ずすべてのパーツを完全に乾燥させましょう。湿った状態のまま再度組み立てると、カビが再発する原因になります。風通しの良い場所でしっかり乾かしてから、元通りに組み立ててください。
- 定期的な洗浄とクエン酸の活用で、カビの発生を防止
- フィルターや部品も忘れずに清掃し、清潔な状態を維持
- 使用後は必ず乾燥させてから収納することで、カビの再発を防ぐ
まとめ
以下3点を覚えておくだけで、加湿器のカビを十分に対策できます。
- 加湿器はカビが最も発生しやすい
- 加湿器にカビが発生すると部屋全体がカビだらけになる
- 加湿器の防カビ対策は「毎日水を変える」だけで効果的
日々の習慣で、健康被害を抑えられ、かつカビ取り業者を使う金銭負担も抑えられます。
ぜひ明日から取り入れてください。