宿泊施設のカビ被害を防ぐ方法と、発生した時のカビ対策方法を専門家が解説
最終更新日:2024年04月25日
カビドクターズ代表
牧平 幸
カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。
- 宿泊施設に発生したカビの原因
- カビを除去する方法
- カビを予防するためのポイント
この記事では、旅館やホテルなどの宿泊施設にカビが発生した時の対策方法から、再発を防ぐポイントについて紹介していきます。
宿泊施設に発生したカビの原因
ホテルや、旅館などは構造上、水回りと寝室が隣接しており、湿気が篭りやすい造りになっています。
また、施設によっては温泉付きの部屋などもあり、これらの蒸気が室内に入って湿気が十分に抜けきらない場合があります。
この湿気が長い間溜まり、高い気温にさらされた状態でいると、カビがあっという間に増殖し、気づいた時には、カビ臭いどころかカビが目視できるほど広がっていたということに。
カビは、湿度が高く、酸素があり、気温が30度前後の栄養源のある場所を好むため、換気が十分にできていないとカビがすぐ増殖する恐れがあります。
カビをそのままにしておくとどうなる?!
梅雨の時期だから、カビが広がったのかもしれない。そのままにしておけば収まるかも?と思う人もいるかもしれません。
しかし、カビは一度発生すると、しっかりと殺菌しなければ、そのまま身を潜めて少しずつ規模を拡大していきます。
また、カビが広がる過程で産生する物質は、カビ臭さの原因となります。カビ臭いお部屋はクレームの原因になったり、施設のイメージに悪影響を及ぼす可能性も。
カビは、カビアレルギーなどの原因にもなるため、そのまま放置せず早めに対策しましょう。
宿泊施設に発生したカビを除去する方法
まだ、発生して日の浅いカビであれば、お掃除のついでに除去することができます。早期に発見し、早めに対策を打つことで大きな被害を防ぎます。
消毒用エタノールで除去する
表面に生えた程度のカビであれば、お掃除用の消毒用エタノール(消毒用アルコール)で殺菌することができます。
壁や窓際、床、天井などの軽度なカビ除去に適しています。ただしカビの漂白効果はありません。
準備するものは、消毒用エタノール、布巾や刷毛、スポンジ、ゴム手袋(マスクなども)です。
<STEP1>消毒用エタノールを塗布する
スプレータイプであれば、直接カビの生えている場所にスプレーしていきます。
<STEP2>時間をおく
10〜15分ほど時間をおいて、液剤を浸透させます。
<STEP3>乾燥させる
まだ水分が残っているようであれば、布巾などで拭き取ります。風通しをよくして乾燥させます。
※素材によっては、変色するものもあるため、目立たない場所で試してから使用しましょう。
逆性石鹸で除去する
手指消毒などで利用される、逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)で殺菌する方法です。無色・無臭なのでアルコールが苦手な方向けの殺菌剤としても利用されます。
逆性石鹸は薬局で手に入れることができます。天井や床、壁などの除カビに適しています。ただし、カビの漂白効果はありません。
準備するものは、バケツと雑巾、ゴム手袋等です。
<STEP1>水で薄める
逆性石鹸は必ずお水で薄めて使用します。バケツに水を入れて、水1リットルに対してキャップ1杯ほど入れて希釈します。
<STEP2>カビに塗布する
雑巾などを使って、カビの生えている場所に塗布して時間を置きます。
<STEP3>拭き取る
乾いた付近を使って、液剤を拭き取り、扇風機などの風を当てて乾燥させます。
塩素系漂白剤で除去する
お風呂や水回りなど、黒カビが発生した場所のカビ取りに効果的な方法です。必ず換気を十分に行いながらカビ取りをしましょう。
準備するものは、カビ取り剤、スポンジやブラシ、雑巾、ゴム手袋、マスクやゴーグルなどです。
<STEP1>カビ部分に塗布する
カビの生えている場所に、液剤を塗布します
<STEP2>時間を置く
5分ほど時間をおいて液剤を浸透させます
<STEP3>洗い流す
よく流水で洗い流して、液剤を除去し、しっかりと乾燥させます。
※注意点
ゴーグルやマスク、ゴム手袋で皮膚を保護しながら行いましょう。必ず換気を行いましょう。
浴室の天井などで使う場合には、フローリングワイパーなどを使い、液ダレしないように注意しましょう。
また、木材(木製のお風呂など)に使用すると変色する恐れがあるため、木材用のカビ取り剤を使うか、変色がないか確かめてから使用しましょう。
カビの再発を防ぐためのポイント
湿気が溜まりやすい構造の場合、カビが一度発生すると、カビ取りしても再発する可能性があります。
そのため、防ぐための環境整備が重要です。
換気
常に換気扇をオンにし、使用されていない時も換気を行うようにしましょう。
除湿
除湿機を置いて、湿気対策を行いましょう。サーキュレーターなどを置いて送風するのもおすすめです。
修理
配管や設備が故障していると、漏水が起こる可能性があります。早めに修理をし、再発を防ぎましょう。
清掃
埃やゴミなどがあるとカビの栄養源となるため、隅々まで綺麗にしましょう。
また、カビ臭さがずっとしていたり、カビが再発を繰り返している場合には、一度業者にカビ取りクリーニングを依頼して、カビの殺菌と防カビコーティングを行うことで、カビの生えにくい状態を作ります。
まとめ
・宿泊施設は、施設の構造上、湿気が溜まりやすくカビの発生原因となる
・宿泊施設のカビを放置すると、さらに広がりカビアレルギーやクレームの原因となる
・軽度のカビであれば、消毒用エタノールや逆性石鹸、水回りは塩素系のカビ取り剤を使って除去する
・予防するために、換気や除湿、清掃に注力する
・カビが再発を繰り返す場合には、早めにカビ取り業者へ相談をする
カビ被害が天井や壁など広範囲に拡大してしまったら
カビが再発を繰り返したり、お掃除では対処できないほど広がってしまったという場合には、カビ取り専門業者へご相談ください。