カビを吸い込み続けるとどうなる?4000件のカビ取り経験を持つプロがお答えします
最終更新日:2022年05月31日


カビドクターズ代表
牧平 幸
カビドクターズの代表・牧平 幸です。カビ取り5年の経験と、世界初の特許技術を用いて大阪・京都No.1の品質を目指して日々カビ取りと向き合っております。
カビを吸い込むことで起こる人体への悪影響
カビが生え、吸ったからといってすぐに実害を被ることはありません。
しかし、カビを吸い続けることで蓄積していき、人体にさまざまな悪影響を及ぼすことはデータとして判明しています。
中でも、特にカビによって起こりやすい症状をについて4つお伝えしていきます。
アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜に異物がつくと、鼻は異物を排除しようと「鼻水・鼻づまり・くしゃみ」の症状を引き起こします。
カビも鼻にとっては異物であり、吸い続けるとアレルギー性鼻炎を引き起こします。
夏型過敏性肺炎
過敏性肺炎の1つで、カビや細菌を吸い続けることで起こるアレルギー反応です。
風邪の症状と似ているため、判別することが難しく気づかれないことが多いのが難点です。
夏に発症し、秋には症状が消え、複数年にわたって繰り返し起こります。
気管支肺アスペルギルス症
アスペルギルスというカビに対する肺のアレルギー反応です。
症状としてはせきや喘息、ときには発熱や軽度の喀血(かっけつ)を引き起こします。
シックハウス症候群
聞きなじみがないと思いますが、室内の汚染された空気を吸うことで様々な体調不良を起こすとされるのがシックハウス症候群です。
ダニやハウスダストなどを吸い込み続けることで起きる症状で、以下のような症状が報告されています。
- 目に刺激があり、チカチカする。
- 鼻水、涙、咳が出る。
- 頭痛、めまい、吐き気がする。
- 鼻や喉が乾燥したり、刺激や痛みがある。
- 疲れやすく、眠気がある。
- 皮膚が乾燥する、赤くなる、痒くなる。
カビが発生する3つの原因
カビが悪影響を及ぼすことはわかりましたが、そもそもカビが発生する原因はどこにあるのでしょうか。
今後、カビを発生させないためにもカビの発生原因についておさらいしていきます。
カビが発生する原因は大きく「湿度・温度・栄養(汚れ)」の3つがあります。
湿度
カビの発生原因で最も注意すべきは湿度であり、多くのカビは60%を超えると発生率が極端に上がります。
カビの種類 | 湿度 |
黒カビ/黄カビ/赤カビ | 70%以上 |
青カビ/白カビ | 60%以上 |
厚生労働省の調べでは、温度が25℃で湿度90%以上だと、たった2日で目に見える程度まで繁殖するという結果が出ています。
温度
カビの生息できる温度は0℃〜40℃で、最も好む温度は20℃〜30℃となります。
種類によっては0℃以下でも生息するものや、逆に40℃以上でも生息可能なカビも存在します。
栄養(汚れ)
カビの栄養となるものは「汚れ」で、具体的には以下のようなものです。
- 食品
- 人やペットの垢
- 石鹸カス
- 髪の毛
- ゴミ
- ホコリ
- 建材
以上が、カビの3つの発生原因です。
これらの3つの条件が全て満たされると、100%カビは発生します。
最後に、「攻めのカビ対策」と「守りのカビ対策」をご紹介します。
攻めのカビ対策:カビ除去
攻めのカビ対策は「カビ除去」です。
ただ、あらかじめお伝えしておくと、部屋中の全てのカビを個人で取り除くことはほとんど不可能です。
理由は以下の3点です。
- カビ洗浄の「塩素濃度」が市販と業者用では10倍近く異なる
- カビ洗浄の「粘着性」が市販と業者用では大きく異なる
- カビは全範囲に散らばるため、一箇所を除去しても飛散した胞子が残ってしまう
コーキングカビなどの頑固なカビや天井裏に潜むカビを根こそぎ退治したい場合は、必ず専門業者に依頼する以外方法がありません。
ただし、小さなカビや表面がツルツルした壁に生息するカビについては、個人でも落とすことができます。
なので、今回は個人でもできるカビ取り方法を2つお伝えしていきます。
キッチンハイターで拭き取る
最もオススメな方法は、キッチンハイターを使用してカビ取りを行う方法です。
キッチンハイターを水で薄めて雑巾につけ、カビを染み込ませるように拭き取ります。
注意点としては、キッチンハイターに脱色効果があるため素材自体が脱色や色ムラが発生する可能性があります。
必ず試し塗りを行って脱色や色ムラが起こらないか確認しましょう。
カビ洗剤を使用する
ツルツルしたカビなど、手軽に取れるカビについては最も効果的です。
ただし、市販のカビ洗浄と業者用のカビ洗浄では塩素濃度が10倍ちかく差があるため、簡単なカビ取りしかできないということは念頭に置いておきましょう。
守りのカビ対策:カビ防止
最後に、カビが生えないようにするための「守りのカビ対策(カビ防止)」についてお伝えしていきます。
空気を動かす
カビの発生する3つの原因全ての対策となるのが「空気を動かす」ことです。
空気を動かすと聞くと面倒なこと思われますが、「八の字サーキュレーター」を使用すれば問題ありません。
窓を開けるのも効果はありますが、窓を開けただけでは一方通行なので空気が循環しないことがありますので注意が必要です。
カビの3大原因別対策
カビの発生原因である「湿度・温度・栄養(汚れ)」それぞれの対策方法を表にしてまとめました。
カビ対策に効果的な状態 | 具体的な対策方法 | |
湿度 | 60%未満 | 八の字サーキュレーター
除湿機 エアコンのドライ |
温度 | 15℃〜25℃ | エアコンで調整 |
栄養(汚れ) | 汚れがない状態
(特にホコリ) |
3日に1回の掃除 |
まとめ
カビを吸ってもすぐに人体に悪影響を及ぼすことはないため、カビを吸っていることに気づかない方が大半です。
また、カビが原因の症状だとしても、風邪や花粉の症状と近かったりするので、対策せずに放置していることが大半です。
カビ対策で重要なのはカビの発生原因を知り、発生原因別にカビ対策を心がけることです。
原因不明の体調不良に悩まされている方は、もしかするとカビが原因かもしれません。
まずは専門業者に依頼して、部屋のカビの量や種類を把握しましょう。